moyo : : diary

気持ちフォト士

バリアフリー展

毎年開催されるインテックス大阪バリアフリー展に行って来ました。
一昨年は一時預かりの介護福祉施設計画のために行きましたが、今年は既に計画倒れになってしまったグループホーム計画のための情報収集に行って来ました。

今回、目に止まったのはベッドとお風呂です。
ベッドは2モーター、3モーター等種類が有り、当然モーターが多いほど多機能(動きが多彩)になります。
その身になってみないとわからない世界ですが、介護を前提としながらも、極力自力で動けるように、もっと重度な人でも、寝返り等自力で出来るように、状況によりベッドに要求されるものが違ってくるようです。
そのベッドを選択するのは家族や介護する側で、本人では無いことが大方でしょうが、電動によるサポートは重要なベッドの機能なのだという事がわかりました。
開発するメーカーは、介護者と使用者共に満足させなくてはなりません。
寝たきりの人は正にベッドの善し悪しで生命が左右されると言う事も今回感じた事です。
各メーカーがマットの材質や仕組み等、床擦対策にも真剣に取り組んでいる様子がわかりました。
一昨年も同じような展示なのでしょうが、その時はベッドなど通りすぎるだけでした。やはり一回見ただけではほんのさわり部分しか勉強にならないのだと思いました。

同じくお風呂ですが、これもその身になってみないとわからない切実な世界です。浴槽の3方よりサポート出来る浴室プランが一番ローコストだと思ってはいたのですが、入浴する人とサポートする人の労力を考えればやはり電動機械化と言うのが大事な事だと感じました。
例えば、寝たきりの人をお風呂に入れる場合、ベッドで着替えさせそのままキャスター付き寝台(椅子)が浴槽の中に入ってしまえば一番労力が少ないようです。
一般家庭ではここまでする事は少ないのかもしれませんが、この労力は業務となった場合、一日に入れる事の出来る人数、かかるサポート人員、変わってくるかもしれません。
これに対応出来る浴槽は電動でなくても出来るものでは有りますが、しかし電動の場合とにかく操作が簡単です。スイッチを押すだけなのですから。力も入りません。そしてそのようなお風呂が展示されていました。

これらの設備は建築を計画する時に把握しておかなくてはプランが変わってきます。もちろん、浴室と浴槽の設置スペースの関係もあるのですが、更に例えば、個室で浴衣に着替え浴室に行く場合、そのまま浴槽に入りそのまま出てくるとして、距離が短いと下着や寝巻きを着るのは個室でも良いわけです。
一回分車いすに乗せ換える作業が減らせる事が作業の効率化で、誰も不都合は発生しない。脱衣室も省スペースとなるかもしれません。
ざっくりと今回の展示を見渡し、これらのノウハウを身に付け計画に用いた場合、全体計画は変わってくるでしょう。

これが、良いのか悪いのかを多少考えておかなくてはなりません。ベッドにせよ、浴槽にせよ、他のマテリアルにせよ、民間のメーカーが製造販売しており、それが必ず故障すると考えなければならない機械式を採用してる場合、製造メーカーがメンテナンスを終了(倒産も有る)した場合に、そんな時でも建物や使用者は対応し続けなければならないからです。代替えの機械を入れ替えて済めば良いのですが、そうは行かない場合も有るかもしれません。