moyo : : diary

気持ちフォト士

炎天下の工事現場

熱中症対策で工事現場の休憩所には冷房が常時入るようになりました。
今日伺った所も誰もいない休憩所がひんやりと冷えていました。
休憩時間は決まった時間に一斉にとる所が殆どだと思われますので、無駄な電気かもしれません。
それ以前に、ここの現場は殆ど山の中で、今後この施設に関わる人達はここに来るために結構な資源を費やすことになるのでしょう。
発電所だとか、危険物を扱う工場だとか、そういうものは何も無い場所にぽつんと施設を造ることになるのでしょうが、そうでないものは、町中に作った方が何かと効率が良いし、環境破壊も少ないし良いと思うのですが、田舎を見渡せば分散した町や村が殆どのような気もします。
農耕民族の宿命でしょう。田畑を管理するためにはどうしてもこのような分散型村配置になります。
それでも日本は世界の中では高効率と言えるのは不思議な感じです。
日本列島改造論が過疎を招いたとも言えるのではないかと思うわけですが、しかし隅々までインフラ整備を進めると、殆ど山の中でも大きな施設が存在することが出来るようにります。
本当に人口減は止まってくれるのでしょうか?そうでなければ日本中廃虚だらけになってしまいます。
さすがに炎天下で変なことばかり考えてしまいました。

この建物は、コンクリート壁が斜めに昇っていきます。最初図面を拝見した時は面白いとしか思わなかったわけですが、今日実際作業をされている方にお話を伺うと、かなり大変な事なのだと言われていました。
コンクリートが固まってしまえばどうと言うことは無いのですが、固まるまでは引力との戦いです。それまではつっかえ棒でこけないように押えておかないといけないのです。
石積みのアーチにしても最後のキーストーンを入れるまでは下から支えていなくてはならないため、大量の仮設材が必要でした。
はるか昔から変わらない建設方法です。
仮設材と言えば殆ど足場を思い浮かべますが、コンクリート構造はこの建物に限らず、コンクリートが固まるまでは必ず下から支える仮設材が必要で、効率の悪い施工方法を強いられる方式です。
過去の歴史的建築物を見ると、施工簡略化や効率、短工期等の施工に関する効率を優先したと感じられる建物はあまり有りません。そういうのはすぐに破棄されて消滅していくからでしょうか。
現代風の考え方から言うと、施工上の効率を求めたローコスト建築は結果として寿命が短く、長い目で見ると結局もったいない非効率な建築だったとなるのでしょう。
だから、一見非効率な手間暇かかる建築物でも長期的に見ると非効率とは言えないのだと思います。